落語、函館の「雁風呂(がんぶろ)」について

きのう、TVのドラマを見ていたら、落語「雁風呂」のことをやっていました。
ドラマは大したできでありませんでしたが、「雁風呂」は懐かしく思い出しました。
「雁風呂」は上方の落語で、桂米朝や、東京では六代目円生が演っていました。
今の季節、なかなか趣きのある噺(はなし)です。17日の日本農業新聞でも
季節の話題として「雁風呂」が取り上げられていました。「雁風呂」を紹介します。

雁(かり又はガン)は、秋に日本に渡ってきて春に帰って行く渡り鳥です。
整然とした三角形の飛び方を思う方も多いでしょう。
雁は小枝を口にくわえて渡ってきて、途中海上で休むために
枝を海に落としその上に止まって休むと伝えられていました。

その雁たちは、函館の「一木(ひとき)の松」に着くと
小枝を口から放してそれから日本中を飛び回ります。
そして帰る時にまたその小枝をくわえて帰るというのですが、
そのあとにたくさんの枝が残されます。この数だけ
日本で雁が死んだのかと、函館の人が雁の供養のために枝を集めて
それで風呂を沸かし、旅人などをもてなしたというのです。これが「雁風呂」です。

落語では、水戸光圀、黄門様が主人公で、諸国漫遊の途中、遠州掛川で
食事をします。そこに土佐将監(しょうげん)の屏風を見ますが、
描かれている「松に雁」という意匠にいぶかります。
普通なら松には鶴、雁なら月です。
そこへ、上方の商人風の主従が訪れ、お前はあの屏風の絵の意味がわかるか、
へえ、将監でっしゃろ、「松に雁」雁風呂ですな、などと会話します。

黄門様はその商人を呼び出し、絵の意味を聞きます。
商人は、大阪の淀屋振五郎で、身上をつぶし、三千両という大金の
請求のため江戸へ向かう途中でした。そこで黄門様は書き付けを渡します。
その借金をした大名に金を返してくれるよう書き、もし
返してくれない時は水戸藩がその三千両を保証するというものです。
三千両の借り(雁)金を取りに行くというのが落語のオチです。

ずいぶん、こじつけが多く、なぜ黄門様なのか、なぜ場所が掛川なのか、
商人がなぜ実在の淀屋振五郎なのかわからない噺ではあります。
また雁風呂は函館とされていますが、その伝承は青森県下北地方のもののようです。

雁が枝をくわえて飛ぶことも実はないそうで、想像と伝承から
作られた話ですが、この季節、何とも趣きのある噺だと思います。2014.10.29

コメント・お問合せをお寄せください

お名前 (ペンネーム可)

メールアドレス (任意、なくてもOK)

題名 (なくてもOK)

メッセージ本文

konnaii について

「こんないいオヤジ」 こと 今内祥雅(こんない よしまさ) と申します。 60歳。札幌市で妻と2人暮らし。 元公務員、現在は自営などその日暮らし。 「プロフィール」をご覧ください。
カテゴリー: 未分類 タグ: , , , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。