沖縄・宮古島の地下ダムをご存じですか?

image004 地下ダムのことをご存じでしょうか。文字どおり、地面の下に造ったダムのことで、地下水を堰き止めて農業の灌漑に利用します。世界初の本格的な地下ダムは、1979年、沖縄県宮古島に造られました。宮古島の地下ダムのことをレポートします。

沖縄離島巡り

1月末から宮古島ほか沖縄の離島巡りの旅に行ってきました。私の家内が以前から沖縄の離島に行きたいと言っていたので、このたび旅行プランを作らせたら、宮古諸島、八重山諸島の8つの島を巡る8日間の旅になりました。家内に連れて行ってもらった旅で、私の役割はレンタカーの運転手でしたが、1か所だけ、私の希望で宮古島の地下ダム資料館に寄らせてもらいました。私は、かつて親しくしてもらった地質屋さんから宮古島の地下ダムの話を聞いていましたので一度見てみたいと思っていました。

宮古島について

image001 宮古島は、沖縄本島から南西に約300km、那覇空港からジェット機で50分ほどかかります。飛行機から宮古島が見えてきた時、私はその平らなことに驚きました。今まで見たことのない、まるでお盆を伏せたように平らな島で、海から突き出ているのに山がないのです。島のほとんどの地域が標高20m程度の台地状の島です。さらに、飛行機から見た時は、森林のような樹林地や高い樹木がほとんどないように見えました。

それは宮古島がサンゴ礁が隆起してできた島であることに由来します。島の地質はサンゴによる琉球石灰岩がメインで、その上に赤土の土壌が乗っています。そのため島に山がなく、土が浅いため大きな樹木が根を張れなかったものと思います。

石灰岩は水を透しやすく、実物も見ましたが穴ボコだらけです。宮古島では年間2200mmという多量の雨が降りますが(ちなみに東京1500mm。札幌1100mm)、亜熱帯の気候のため降った雨の40%が蒸発し、50%が地下に浸透しますが石灰岩の透水性のためほとんどが海に流出し、地上に残って人や植物が利用できるのは10%程度ということです。

このため宮古島には大きな川がありません。というか、川と呼べるような年間流れている川はありません。ホテルの人に「宮古島に川はありますか、水田はありますか」と聞いたところ、「川はありません、水田は一部の地域に少しあります」ということでした。しかし、川がないために宮古島の海はきれいなのだといいます。宮古島の海の色は沖縄image002のほかの島に比べても確かにきれいです。水が澄んでいて、沖から浅瀬にかけての色のグラデーションは何とも言えないほど美しいです。始めに砂山ビーチで見た海の色は生涯忘れられない景色だろうと思います(写真)。

沖縄本島や石垣島などでは赤土が川から海に流出する「赤土汚染」が深刻な問題になっています。強い雨が降ると、工事現場や農地から赤土が海に流出し、サンゴ礁の水環境や生物や産業に悪影響をもたらしています。幸か不幸か、そういう川が宮古島にはないので、水不足などの問題がある一方で海がきれいなのだと言われています。

では、宮古島では日常使う水をどうしているかというと、市の水道は湧き水や地下水を利用しています。ただ、宮古島で最も古いという「宮古そば」の店で聞いた話では、今は水道を使っているが少し前までは雨樋で集めた雨水を溜めて使っていたということでした。湧き水や地下水を使えるところは地域的に限られます。宮古島の隣の伊良部(いらぶ)島に「サバ沖井戸(さばうつがー)」という井戸の史跡がありサバウツガーます。海に面した小さな井戸で、江戸時代にたまたま発見された貴重な水源のようですが、海岸段丘の上から120段以上ある階段を上り下りして毎日3~4回水を汲む仕事は女性の役割だったそうです。

そんなことで、大量の雨が降る宮古島で最も貴重な資源は皮肉にも「水」でした。それは農業でも同じで、かつては天水頼みの農業でしたからサトウキビの収穫量も雨しだい。雨は梅雨や台風の時期に集中していて、その時期に雨が少ないと大きな干ばつがたびたびあったそうです。そこで地下水を利用する地下ダムが計画されました。

地下ダムの紹介の前に宮古島の余談を少々。

① 宮古島は沖縄諸島の大きな島の中でただ一つ「ハブ」がいない島です。標高の低い平らな島のため過去の海進や津波の時に途絶してしまったのだろうと言われていますが、宮古島に固有のヘビやカタツムリなどが生息していることから疑問視する意見もあります。

② 宮古島には森林らしい森林がなく、なかでも杉の木がありません。このため、スギ花粉症に悩む人のシェルターとして活用してはいかがですかと宮古島市などが「花粉症逃避ツアー」をPRしています。花粉症がつらいので宮古島に移住する人もいるとか。

③ 私が最初に宮古島を知ったのは、沖縄出身の人から「オトーリ」という恐ろしい習慣の話を聞いた時でした。「オトーリ(お通り)」は宮古島独特の酒の飲み方で、とにかくみんなで酒(泡盛)を順番に一気飲みするという慣わしです。朝まで延々と一気飲みが続けられます。アルコールの弱い人には地獄です。宮古島のコンビニで宮古島警察署のビラが貼ってあるのを見ました。道路で寝ている人の写真が載せてあって、昨年1年間で酔っ払って路上で寝ていた人の報告が600件以上だそうです。オトーリのせいです。沖縄ですから凍死する人はいないでしょうが、朝遅い時間になっても寝ている人や女性も多いそうです。もともとは神事で、確かに宮古島の文化の一つなのでしょうが、その習慣が少なくなった時に酒造会社がキャンペーンを仕掛けたとも言われています。

konnaii について

「こんないいオヤジ」 こと 今内祥雅(こんない よしまさ) と申します。 60歳。札幌市で妻と2人暮らし。 元公務員、現在は自営などその日暮らし。 「プロフィール」をご覧ください。
カテゴリー: サイエンス, 旅行, 未分類, 農林業・自然 タグ: , パーマリンク

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