北海道新幹線開業

3月26日、北海道新幹線が開業しました。
新青森から新函館北斗まで、149kmが新幹線で結ばれました。
前作「北海道新幹線についてのいくつかの噂」をご報告しましたが、
最近の情報についてご紹介します。


26日、北海道は新幹線開業のニュースで持ちきりでした。
メディアは1日中その話題だらけ。それに先立つ1号列車の
乗車券の前売りでは、上り下りとも30秒で完売しました。

乗車券を手にした北海道の人は「悲願でした」と涙ぐんでいました。
青函トンネルの工事に携わった人も、「とうとう夢が叶った」と
目をうるませていました。北海道から鹿児島まで
新幹線乗車券を買った人が紹介されていました。

乗客以外も、駅はメディアや見物客でごった返していました。
インタビューに答えて、北斗市の商店の人は
「これほど人が来るのは見たことがない」と言っていました。

新幹線の開業で人の流れが大きく変わることが期待されます。
東北と北海道がぐんと近くなり、日帰り旅行も可能になって
人の交流が増えることでしょう。

ネットで、北海道新幹線の運転席からの映像を見ました。
しかし、青函トンネルはもちろん、ほかの区間でもトンネルが
思いのほか多く、車窓からの風景はあまり面白くありませんでした。
しかも、防音のためか雪対策のためか、両側の壁の高いところが
多いので、乗車して周りの風景が楽しめるかちょっと不満です。
もっとも、雪国では、トンネルの方が路線管理がしやすいのは事実です。

ところで、北海道新幹線で、新青森-新函館北斗間は最速1時間1分、
東京-新函館北斗は4時間2分です。4時間を切ることはできませんでした。
遅い理由は前作で紹介しましたが、何とか工夫すればこの1分、
2分を少なくすることはできたのではないかと思います。
東京-函館間が4時間を切るというのはアピール力があります。
それを敢えて短縮しなかったのはJR北海道の英断だと思います。
いろいろJRの問題が取りざたされ、私は「JR北海道に新幹線を
任せて大丈夫か」と憤慨していましたが、「安全確保のため」と、JRは
敢えて1分2分を短縮しませんでした。その姿勢に敬意を表します。

新幹線による経済効果を期待する人も多いです。
日本政策投資銀行の試算によると、北海道への観光客は44%増、
ビジネス客は59%増、これらに伴う経済効果は年136億円と
見込まれています。これが続いてくれればいいのですが。

しかし、北海道新幹線の予約状況はというと、指定席の予約は
開業後9日間で24%、3か月間でも20%強ということです。
北陸新幹線の開業当初に比べるとかなり低調です。
春休みやゴールデンウィークで乗客が増えることが望まれ、
今後乗車客が持続してほしいと思います。

さて、北海道民が待望した新幹線ですが、問題点も少なくありません。

新函館北斗駅から函館までのアクセスは、
JRの「函館ライナー」で15分かかることがまず問題です。
東京から4時間2分で到着するといますが、
函館までは事実上、4時間半かかります。
新幹線の到着ごとに函館ライナーが接続するのはいいのですが、
便によってはその乗り継ぎ時間が短く、お年寄りが
間に合わなかったことが報じられています。

また、在来線の存続の問題があります。
新幹線の開業に伴い、JR江差線は、第三セクターの
「道南いさりび鉄道」になりました。
津軽海峡の風景ををゆったり見られるとPRしたり、
観光列車を導入するなど趣向を凝らしていますが、経営は赤字が
見込まれています。果たしていつまで存続できるでしょうか。

北海道新幹線も、向こう3年間、年48億円の赤字が見込まれています。
やはり、札幌まで届かないと十分な機能を果たせないようです。
札幌への延伸は、2031年春とまだまだ先のことです。
新幹線への関心は、函館などを除いて北海道内では高くありません。
私の家内は、「新幹線はいいけど、函館まで行くのにどれだけ
時間がかかるのさ」とあまり感心がありません。
北海道民の多くはそんな感情だと思います。

札幌までの延伸を目指して、すでに5つのトンネル工事が
着工されています。しかし、延伸について問題が指摘されています。

小樽では、いまだに用地買収の交渉が始まっていません。
街の南側を貫く計画ですが、路線予定地にある工場の人は
「移転の心づもりはしているが、まだ何の話もない」とのことです。
こんなことで31年開業に間に合うのでしょうか。

部分的な開業を急げ、という意見があります。
ニセコはパウダースノーのリゾート地として外国人に人気があります。
街を歩くと外国人ばかり、案内板も英語だらけという異国風情です。
その駅、倶知安(くっちゃん)まで新幹線を早期開業してはどうかと
提言されています。確かに、千歳まで飛行機で来ても、倶知安までは
かなり時間がかかります。あと15年、札幌延伸まで据え置くよりは
倶知安まで早期開業する効果は大きいと思います。

札幌駅の問題が取りざたされています。
JR北海道は、札幌駅の工事が困難であり、乗降客のスペースに
問題があるとして、札幌駅から西側300mの地点に新幹線の駅を
作る計画を表明しました。これには皆びっくり。
札幌駅に直結してこその新幹線と思っていました。
荷物を抱えて札幌駅まで移動しなければならないことなど論外です。
在来線や、地下鉄・バスなどへのアクセスを始め、駅前再開発を
もくろむ札幌市は都市計画を見直さなくてはならなくなります。
何とか今の札幌駅に新幹線を入れるよう協議されています。

余談ですが、私が始めて札幌に来たころ、札幌駅の南口と北口を
つなぐ2階通路から見ると北側に広いスペースが空いていました。
鉄男の友人が、「ここに将来、新幹線のホームができるんだ」と
したり顔で言っていました。ところが、札幌圏の人口が増えるにつれて
近郊と連絡する便数が増え、スペースはそのためのホームになりました。
そして、新幹線を入れるには、通勤時間以外の短い時間で工事しなければ
ならない、駅を拡張して0番ホームを作るか、など
難しい問題に遭遇しています。

加えて、新幹線が札幌まで延伸した場合、在来線がどうなるか
という問題があります。札幌-小樽間の在来線をJRが見放す
可能性は高いです。通勤や観光客の多い路線ですが、
どうぞ新幹線をご利用くださいとJRは言うかもしれません。

また、長万部(おしゃまんべ)から北、小樽や札幌までの
在来線がどうなるかも問題です。
長万部から南、函館までは貨物の基幹線ですから残るでしょう。
それ以北の函館本線は廃止される可能性が大きいと思います。
こちらは住民の足、まさに在来線の本線です。
これをどうするか、JRや北海道庁の対応が注目されます。

ところで、北海道新幹線は、青函トンネルを含む 82kmの区間を
時速140kmという低速で走ります。全区間149kmのうちの82kmですよ。
140km/hといえば従来の特急白鳥、スーパー白鳥と変わりありません。
これは貨物列車と共用する区間のためで、これをどうやって
新幹線の高速を発揮するか、知恵の見せ所だと前作で指摘しました。
新幹線に貨物列車をそのまま積み込むとか、貨物と新幹線の
使用時間を配分するとかアイディアが検討されたようですが、
結局、知恵は実現されませんでした。

JRは知恵を出して新幹線の高速化を実現してください。
今は北海道新幹線のプームに湧いていますが、
これが一段落したら、何だ新幹線はちっとも早くないじゃないか、
ということになってしまうと思います。
東京-札幌が5時間を切れるよう新幹線の進化を期待したいと思います。
2016/03/29

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「こんないいオヤジ」 こと 今内祥雅(こんない よしまさ) と申します。 60歳。札幌市で妻と2人暮らし。 元公務員、現在は自営などその日暮らし。 「プロフィール」をご覧ください。
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