中国地方の神楽(かぐら)について

皆さん、神楽をご存じですか。
能のような神事の舞いを思い浮かべる方が多いと思いますが、
島根県や広島県など中国地方では、神楽は一大エンターテインメントになっています。
広島県安芸高田市には「神楽門前湯治村」という施設があり、常設の2つの
神楽場があって毎日公演が行われ、たくさんのお客さんが訪れています。
神楽にもいろいろな流れがあり、中国地方では演劇や娯楽性を重んじた
存在になっています。中国地方の神楽についてご紹介します。

私が神楽を初めて見たのは、山口県萩市に観光に訪れたとき、
宿泊した旅館にたまたま島根の神楽団が招かれていてその公演を見たときでした。
演目は「ヤマタノオロチ」、出雲神話のスサノオノミコトが大蛇を退治する
あの話です。終わりの方では、太いジャバラのオロチが4体出てきて、
うねりながら口から花火の火を噴きます。
それをミコトが斬ってオロチの首を掲げるという活劇です。
これはまさにショーでした。
神楽ということばから私が想像するものとは少し違いました。

その後広島県に住んでからいろいろ神楽を見に行きました。
毎年、北広島町で「近県選抜 優秀神楽発表大会」という催し行われています。

近在の神楽団が参加してお客さんの投票でその年の1位が決まります。
神楽団の団員は日常別の仕事を持っていますが、
毎日夜集まって神楽の稽古をします。
日頃も神社やホテルなどの要請に応えて興行しますが、
年に1回その演技を競うフェスティバルがこの大会です。

それぞれの神楽団が趣向を凝らして、火を噴いたり、スモークを炊いたり、
早変わりや面の早替えがあったり、遠くからオロチが滑り落ちてみたり演出します。
同じ演目でも神楽団によって趣向が違いますので飽きません。

なお、演目は神話や故事に基づくものが多く、戦後に、ある一人の人によって
確立されたものが多いようです。
神楽が演劇性や娯楽性に向いた一つの方向です。
とても楽しいので、機会がありましたら是非ご覧下さい。

一方、岡山県の備中地方で見た神楽はちょっと違っていました。

岡山県美星町で年に1回行われる「大神楽」は多くの人を集める神楽の興業です。
こちらは昔のしきたりにならって、神事を表現するところが多いものでした。
四方を御幣で囲った空間で、茣蓙舞(ござまい)というゴザを器用に
飛ぶ舞いや、白蓋(びゃっかい)という紙の玉を空中で自在に操って
飛び回らせる妙技から神楽が始まります。

伝統的な演目が続けられ中、だらだらとした万歳が入って、
「神様が出雲から新幹線で備中に来たのだが、今日中に帰らないと
神在月の会議に間に合わない」などのつまらない話をします。
後で本を見たところ、これはお決まりの万歳だそうで、
その時々に合わせた万歳を入れることがこの神楽のルールなのだそうです。
備中の神楽は、出雲や広島と違って神社専属のプロの芸人が行っています。

神楽にはいくつか流れがあって、宮中の神楽とお国神楽があり、
お国神楽には、巫女さんや神主が舞う伊勢系、紹介した出雲系、
宮崎の高千穂系などがあり、正月の獅子舞も神楽の系統なのだそうです。

そもそも神楽とは、その年のイネなどの収穫を祝って、
神々を家に迎え、ともに楽しむ神事だと言われています。
秋祭りとは少し違って、神様をそれぞれの家に迎えることがお国神楽のようです。

ですので、本来の神楽は収穫のある家が主催し、それはたいそうな催しで、
準備に1週間以上かかり、1家を1晩以上明け渡して皆さんに神楽の場と
飲食を提供しなければなりません。
やがて持ち回りで当番の家を決めたということも納得できます。
広島県の県北地方で7年に1度の式年にその1晩中続く神楽があると
聞いたのですが、行く機会がありませんでした。

神楽という伝統芸能が続いていること、それをエンターテインメントに
仕立てたこと、それぞれに感動します。人はやることをやるものだ。 2014.10.15

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konnaii について

「こんないいオヤジ」 こと 今内祥雅(こんない よしまさ) と申します。 60歳。札幌市で妻と2人暮らし。 元公務員、現在は自営などその日暮らし。 「プロフィール」をご覧ください。
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