ユーミンの「12月の雨」

今日から12月です。
札幌は、雪ではなく雨が降っています。
最近は珍しくなくなった12月の雨です。
「12月の雨」は、ユーミン(松任谷由実)がまだ荒井由実だったころの作品です。
私がこの曲に出会った時は、ユーミンの詞のセンスのすごさと、なにより、
メロディーの中で当時は突飛とも思えた音の高低にびっくりしました。
ユーミンの「12月の雨」のことを書きます。

 この曲を聴いたのは、私が札幌で学生生活を始めたころです。
10月か11月だったと思うのですが、同郷の友人とこう話していました。
北海道で12月の雨はないよな、降るとすれば雪で、傘なんかいらないよなあ。
ところが、その年、札幌で12月の雨にあいました。
高校時代にいた厳寒地と違って札幌は暖かいのです。

ユーミンの「12月の雨」の詞には共感できるところがたくさんありました。
歌詞を紹介すると次のようです。

雨音に気づいて 遅く起きた朝は
まだベッドの中で 半分眠りたい
ストーブをつけたら くもったガラス窓
手にひらでこすると ぼんやり冬景色

今にもあなたが 白い息をはき
通りをわたって この部屋に来る気がして

時はいつの日にも 親切な友達
過ぎていく きのうを 物語にかえる

もうすぐ来るクリスマス
思い出の日には
また会おうと云った
もう会えないくせに

今でもうしろを ふとふり返れば
あなたが笑って たってるような気がして

時はいつの日にも 親切な友達
過ぎていく きのうを 物語にかえる

時はいつの日にも 親切な友達
時はいつの日にも 親切な友達

この歌詞を聴くと、主人公はおそらく、アパートの2階(?)に
一人住まいしている、恋人と別れたばかりの20歳前後の女性が想像されます。
詞について云々言うことは無粋だとは思いますが、あえて言います。

「半分眠りたい」、「ぼんやり冬景色」。よく雰囲気が伝わってきます。
「あなたが 白い息をはき この部屋に来る気がして」
彼氏が、寒い季節の今もこれまでのように訪ねて来てほしい。去年と同じように。
「もうすぐ来るクリスマス、思い出の日」
今の時期と、彼女と彼にどんなに楽しい日々があったか思わせます。
でも、「また会おうと云った もう会えないくせに」
彼と彼女の気持ちと、別れの事実、お互いの気遣いまで感じられます。
「ふとふり返れば あなたが笑って たってるような気がして」
彼女の、彼に対する印象と未練の気持ちのなんという表現。

そして、
「時はいつの日にも 親切な友達 過ぎていく きのうを 物語にかえる」
この言葉のキレはどうでしょう。時がたてばいずれ過去のものになるということを
こういうふうに表現するものでしょうか。やはりユーミンです。

メロディーはもっと驚かされました。
日本の歌では、それまで使われなかった音の高低差ではないでしょうか。
(ホーハイ節などの例はありますが)
冒頭の「遅く起きた朝」の「く」が何故こんなに高くなるのか。
次のフレーズの「通りをわたって」に至っては、
聞いたことのない想像できないメロディーラインでした。
この人の発想は本当に日本人かと思いました。

当時、小学校の教員をしていた父にこの曲を聞かせたところ(小学校ですから
父は音楽も教えていて、以前は曲も作っていました)、こう言いました。
「日本の歌は、民謡にしろ唱歌にしろ歌謡曲にしても、本来話し言葉の抑揚に沿って
作られているので、この曲は邪道だ」
私は、そんなことはない、日本の歌だっていろいろあるじゃないかと言いました。
「雨」なら、「雨 雨 降れ 降れ」や「あーめが降ります 雨が降る」は平坦だが、
美川憲一の「雨の降る夜は~」は後ろが上がるし、城ヶ島の雨「雨は降る降る」では
下がるではないか、と言いました。

いずれ、ユーミンのメロディーラインは衝撃的でした(しかも魅力的な)。
しかし、「12月の雨」の翌年だったと思いますが、
「CHINESE SOUP(チャイニーズスープ)」のメロディーにはもっと驚きました。
こんなのありか、音と言葉を遊んでいるな、と思いました。
今ではユーミンサウンドとか、ユーミン節とか言われ、他のアーティストも
取り入れている曲調ですが、初めて聴いた時の衝撃は強かったです。

ユーミンにはいつも驚かされます。
スターダムに残る最後のアーティストではないかと思います(井上陽水も
いたか) 2014.12.01

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konnaii について

「こんないいオヤジ」 こと 今内祥雅(こんない よしまさ) と申します。 60歳。札幌市で妻と2人暮らし。 元公務員、現在は自営などその日暮らし。 「プロフィール」をご覧ください。
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