エネルギー政策について提言した研修のこと

今からもうかなり前、私が農林水産省にいた時、
各省庁の係長級の若い職員を集めた人事院の研修に参加したことがありました。
埼玉県の山奥に2か月間缶詰にされた研修でした。
この研修の課題で、私はエネルギー政策について提言するレボートを提出しました。
面白い研修でしたので、そのことと、レポートのことをお話しします。

この研修には、各省庁からいろいろな参加者がいました。
事務次官を指す大蔵省事務官、特許庁の審査官、衆議院・参議院や
最高裁判所の職員、刑務所刑務官、自衛隊の幹部生、
警察大学校を出て4年ですでに警部の警察庁幹部職員など
参加者は70名ほどでした。

中には、結婚式をしてから1週間で研修に参加させられたという
かわいそうな人や、子どもが生まれる場に立ち会ってすぐに
駆けつけたという人もいました。
研修は、朝7時にエルガーの威風堂々の音楽で起こされ、
ラジオ体操をして一日が始まります。
各界一流の人の講義や講演があり、ためになったとは思いますが、今では
ほとんど講演者や講義内容を覚えていません。

昼休みはテニスやラグビーをしたり、夜は飲み会をしたり、
そちらはよく覚えています。
研修所に軟禁状態で、近くに飲み屋もありませんので
外に出る楽しみもありません。

研修期間のうちに、3~4人のグループを作って政策を提言する論文をまとめろ、
という課題があって、まずテーマを選択してグループを作ることから始まりました。
外交、防衛、貿易、教育、農業などのテーマが提案され、私は
エネルギー問題を提案しました。

今もあまり変わりませんが、当時はオイルショックの後で、これからの
日本のエネルギー政策をどうするか、
石油=化石燃料=輸入への依存が多いことを
どうするかというのが問題になっていました。

このテーマに賛同してくれた人が2人いました。
防衛庁のヘリコプター部隊長、運輸省安全航路部
(行政部局ですが研究機関)係長の2人でした。
3人のメンバー誰もがエネルギー政策に関係のない部署で、門外漢から
提言することになりました。

それぞれが検討する分野を分担することにし、防衛庁が石油、
運輸省が原子力発電、私が新エネルギーを担当することにしました。
各自で検討した成果を持ち寄りましたが、全体でどう結論するかが決まりません。

結論については3人で悩みに悩みました。
研修最終日のお別れパーティーの直前まで
レポートを提出することができませんでした。
(そのパーティーで、私は恒例の中庭の池に放り投げられるのですが)

私たちが行き着いた結論は、エネルギーの消費量を少なくしましょう
ということでした。今でいう省エネルギーです。
3.11を経験した今なら節電は当たりまえに言われますが、
当時は経済成長のためにはエネルギーや電力の消費は不可欠という認識でした。

私たちの結論、エネルギーの消費を拡大しなくても経済成長は可能である、
将来のために石油や電力のエネルギー消費を縮小すべきという結論は
我ながら画期的だったと思います。
そのほかに、原子力発電を、安全性や廃棄物処理を考慮して
縮小するよう見直すことや、風力・地熱など新エネルギーの開発を
促進すべきことを提言しました。

しかし、グループ3人の議論の中で、私は、必ずしも経済成長は
必要ないのではないか、それぞれの人が幸福と思えるなら
成長などなくてもいいじゃないか、と言ったのですが、
ほかの2人は、そうではない、将来の希望のために経済成長は必要だ、
GDP向上は国家の命題だ、前進なくして政策はありえないと主張しました。
政策提言のレボートですから私は持論を引っ込めました。

先日のTVで、ビートたけしが正直なところを言っていました。
「少子高齢化というが、そもそも今の日本の人口が多すぎるんじゃねえか?」
私も本心はそう思います。
日本の国土、農業生産力からして人口が多すぎるのではないか、
工業製品の輸出と食料の輸入を天秤にかけて人口を増やしてきたけれど、
本当に日本にその人口を養う力実力があるのか、と思っています。

ただし、少子高齢化で、年寄りばかり多くて子どもが少ないことは問題です。
若いモンが少なくてその発言力がが小さくなれば、社会の活力はグッと
減ってしまうでしょう。
何より生産力や購買力が少なくなります。元気が出ません。

子ども用品や教育産業が減退し、新しいこと、流行や、新商品への
関心が減ってしまうことでしょう。
これは日本が生き延びてきた原動力を失うことだと思います。

かつてヨーロッパもそういう風潮に陥ったことがあります。
ベルリンの壁が崩壊する前、「ドイツ人は死滅する」という本を読んだことがあります。
ドイツの若者が将来に期待を持てなくなり、子どもを作ろうとしないので、
ドイツ人はやがて死滅してしまうだろうという内容でした。
自分の将来や、生まれてくる子の将来に
希望を持てないようでは社会は成り立ちません。
ちょっと論旨が変わってしまいました。書いているうちの成り行きです。

人事院の研修は、いろいろなメンバーに出会えて、
エネルギー政策の提言という大胆な経験をさせていただいた貴重な体験でした。
提言のレポートがその後どうなったかですって?
当時の通商産業省、経済企画庁からは全く 見向きもされませんでした。
2014.12.22

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konnaii について

「こんないいオヤジ」 こと 今内祥雅(こんない よしまさ) と申します。 60歳。札幌市で妻と2人暮らし。 元公務員、現在は自営などその日暮らし。 「プロフィール」をご覧ください。
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